狛・岩坂(桜井市 狛・桜井市 岩坂)

  狛と岩坂は国道165号線を初瀬に向かう途中、桜井市立東中学の裏の道を南に向かって入り、近鉄大阪線の高架を抜け少し行くと山裾一帯に広がる棚田が見えてきます。桜井市では吉隠(よなばり)、白河(しらが)出雲と並ぶ、棚田のビュースポットで「さくらい100選」にも選ばれています。子供のころ見た農村風景がそのまま残っているかのように感じる隠国(こもりく)の隠れ里です。狛・岩坂の里は、この二つの集落を縦断して北に流れる狛川の上流に位置し、主に西岸が岩坂、東岸が狛という位置関係です。

 岩坂でのおすすめは奈良一刀彫の第一人者、高橋勇二さんのギャラリーです。事前に申し込んでおけば気軽に素晴らしい作品の数々を素敵な環境の中でみせていただくことができます。(「一刀彫 高橋」で検索すれば高橋さんのHPを見ることができます。) 

 更に登って上岩坂の集落の上に、十二神社が鎮座します。この神社は古くから泊瀬朝倉宮の営まれた場所との伝承を持ち、14世紀に成立した書物「帝王編年記」に朝倉宮は「大和国城上郡磐坂谷なり」と記されています。また境内前の銀名水という井戸は、奈良時代からの名水で知られ、江戸時代に書かれた「大和名所図絵」にも紹介されています。

 十二神社から次は狛と宇陀をつなぐ狛峠に向かいます。万葉歌人、柿本人麻呂も通ったと言われる峠です。緩やかな坂道が続きますが眼下にひろがるパノラマ写真のような棚田の風景に疲れも忘れて見とれてしまいます。まさに隠里です。 

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