「記紀万葉さくらい」チャンネルより引用
初瀬は萬葉集では枕詞の隠国(こもりくの)で知られる長谷寺の門前町として賑わっています。この神社は近鉄長谷寺駅から長谷寺に向かう途中にあり、神社の背後に見える山は「天然記念物与喜山暖帯林」といわれる原始林に覆われた與喜山(標高455m)です。山麓には日本最古天神の與喜天満(よきてんまん)神社が鎮座しています。祭神は学問の神様として知られる菅原道真公で、道真公の先祖・野見宿禰は、ここ初瀬の出雲の出身で、初めは土師氏と称しており、道真公にとって初瀬は遠祖からのふるさとだったのです。
この地に天神が鎮座したのは,『長谷寺験記』によれば平安時代の946年(天慶9年)で、後に初瀬の地域の神としても信仰されるようになります。神社が所蔵する天神(菅公)座像の体内には、正元元年(1259年)の墨書銘があり、現存最古のものといわれており、平成23年に奈良国立博物館で「初瀬にいますは 与喜の神垣ー與喜天満神社の秘宝と神像」と題し特別公開されています。なお、現在の社殿は、江戸時代後期の1818年(文政元年)に長谷寺によって再建された建物です。
與喜天満神社公式サイト https://www.yokitenmanjinja.jp/