エンドウ山古墳(桜井市倉橋)

 国史跡、赤坂天王山古墳の西南方、南東に向かって突出する標高160m前後の尾根上に造られた径10m前後、高さ約2.5mの円墳で南に開口しています。埋葬施設は花崗岩切石の両袖式横穴式石室で全長は4.7mで羨道部の長さは1.8m、幅1.1m、高さ1.2m、玄室部は長さ2.72m、幅約1.6m、高さ約1.75m。

 石組みは玄室部は2段積みで天井部は2石で構成され石材の隙間に漆喰が充填されています。羨道部は1段積みで天井石は現在1石のみですが開口部付近に落下している石材を含め2石あったと思われます。森浩一氏は著書「古墳と古代文化 99の謎」で大化の薄葬令関連で、この古墳は唐尺(1尺30㌢)の9尺☓5尺に近い事に注目されています。棺や出土遺物については不明です。築造年代は石室の特徴から7世紀後半頃と思われ倉橋溜池周辺の古墳では最も新しいと思われます。 発掘調査は行われておらず測量調査のみです。古墳マニアの間では大変人気のある古墳で探索する楽しみと、小ぶりながら綺麗な切石が人気の秘密のようです。