忍阪と宇陀を結ぶ「忍坂街道」は古事記、日本書紀で知られる古道です。忍阪の集落の南入口には「忍坂道伝承地」の碑が立ち、記紀の伝承を語っています。
集落内には、舒明天皇陵、万葉歌人の鏡王女墓、衣通姫の誕生地と言われる玉津島明神、そして山が、ご神体の生根神社や、額田王の念持佛とも言われる、日本最古の石彫三尊像「伝・薬師三尊石仏」を安置する石位寺と、記紀万葉ファンにとってはとっておきの故地です。
特に、舒明天皇陵の前の小道を谷間のほうに歩を進めると、せせらぎの中に、ひっそりと犬養孝揮毫の鏡王女の万葉歌碑があり、そのあたりから視界が一気に拡がります。ここは、まさに万葉の世界の入口です!小鳥のさえずりと風の音しか聞えてこない、時間を忘れさせてくれる空間が、ここにあります。