41.巻向の 桧原も未だ・・・

山本 健吉
文芸評論家、折口信夫から大きな彫響を受けた。日本の古典文学に閃するすぐれた評論を発表。文化勲章受賞(1983年)

巻向の 桧原も未だ 雲いねば 

小松か未ゆ 淡雪流る

   万葉集巻10-2314 柿本人麻呂

歌の意味
巻向の桧の原にもまだ雲がかかつていないのに松の枝先を沫(泡)雪が流れるように降っている。

☆碑の建つところは、角力のはじまり旧跡カタヤケシがある。そこから奈良盆地を見下ろすことができ、見晴らしの良いところである。

柿本人麻呂
飛鳥時代の代表的な歌人。後世、山部赤人とともに歌聖と呼ばれる。人麻呂は巻向山麓の里に愛する妻が住んでいたために、この付近の自然を歌った作品が多い。

 

歌碑の場所 41番
相撲神社境内の広場の奥の土俵跡の前に北面して建つ。