揮毫者 清水 比庵 (ひあん)明治・大正・昭和期の歌人。書家・画家・司法官、銀行支店長を経て日光町町長。かたわら作家活動に情熱を傾注した。
椋橋(くらはし)の
山を高みか
夜(よ)ごもりに
出て来る月の
光ともしき
万葉集巻3-290 間人宿袮大浦
歌の意味倉橋の山が高いからだろうか、夜も更けてから、やっと姿を出してくる月の光はなんと弱くとぼしいことよ。
☆三日月(初月)を詠んだ歌で、大自然の静寂と哀れさを感じさせる。
間人宿袮大浦(はしひと すくね おおうら)伝未詳。奈良時代の歌人。「万葉集」巻3に歌2首がおさめられている。あとの一首は 天の原ふりさけ見れば白真弓張りて懸けたり夜路は吉(よ)けむ
歌碑の場所 34番聖林寺の石段の下に建てられ、音羽山(倉橋山)に東面している。