26.こもりくの 泊瀬の山は 色づきぬ

揮毫者 里見 惇(とん)
大正・昭和期の小説家。雑誌『白樺』の創刊に参加。代表作に「恋ごころ」があり随想、紀行にも卓越。

こもりくの 

泊瀬の山は

色づきぬ


しぐれの雨は

降りにけるかも

   万葉集巻8-1593大伴坂上郎女
      (おおとしのさかのうえのいらつめ)

歌の意味
初瀬の山はすっかり色づいたことだ。
しぐれの雨が降ったに違いない 

大伴坂上郎女
万葉歌人の代表歌人で佳作が多い。父は大伴安麻呂で、毋は石川郎女。旅人は異母兄稲公の姉、家持の叔母姑である。

歌碑の場所 26番
長谷寺の長い石段を回廊づたいに登り本堂に行き着くと広場に北面して建つ。