揮毫者 久松 潜一国文学者。近世国学の古典研究を進める。佐々木信綱氏らと「校本万葉集」を編集。
三諸は 人の守(も)る山
本辺(もとべ)は あしび花咲き
末辺(うらべ)は椿花咲く
うらぐはし山ぞ
泣く児守る山
万葉集巻13-3222 作者不詳
歌の意味三諸山(三輪山)は人がみだりに立ち入ることなく、大切に一木一草を守ってきている山である。この山の麓のほうには、馬酔木の花が咲き、山頂のほうには、椿の花が咲くのである。この山は、ほんとうに心の底から美しく感じられる山、泣く子の気持ちを静めるように、あれこれと気を使って、守り大切にしている山である。
歌碑の場所 11番井寺池の北側の堤、碑は西面して建っている。