活日(いくひ)神社は、大神神社の摂社です。本社拝殿から山の辺の道を北に少し行き右手の石段を登り瑞垣に囲まれた中に妻入一間の小祠(春日造、板葺)が西向きで鎮座します。 祭神は、杜氏の神さま高橋活日(いくひ)命。
日本書紀に 第十代崇神天皇の時代、国中で疫病が大流行し天皇もその対応に苦慮されている時、夢の中で大物主大神様から「天皇の子孫である大田田根子(おおたたねこ)を祭主にし、酒を奉納しなさい」というお告げがあり杜氏の高橋活日命(たかはしいくひのみこと)を呼び、一夜で酒造りを行い神酒を奉納しました。すると疫病は去り、国が栄えました。その時に高橋活日命が「此の神酒は 我が神酒ならず 倭なす 大物主の 醸みし神酒 幾久幾久」と詠んだと伝えられています。このことより高橋活日命は杜氏の神様としてこの活日神社にまつられました。
このほど、本殿の屋根の傷みがひどくなってきたので桧皮屋根葺替えが行われ、合わせて神門・玉垣の改修等の境内整備が行われました。(写真は新しくなった社殿。2016.3.3撮影)
境内の「御由緒」には
ご祭神の高橋活日命は崇神天皇に命じられ大物主大神に供える神酒を醸した掌酒(さかびと)で杜氏の祖神として醸造関係者から高く信仰されています。一夜にして美味しい酒を造ったことから古くは「一夜酒社」(ひとよさけのやしろ)とも呼ばれました。酒まつり等で舞われる神楽「うま酒みわの舞」は活日命が詠んだ歌で作曲、作舞されたものですとあります。